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三島由紀夫 「アポロの杯」 初版本・昭和27年・朝日新聞社

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「『アポロの杯』は、三島由紀夫の旅行記・随筆。1951年(昭和26年)12月25日から翌1952年(昭和27年)5月8日までの約4か月半にわたる世界一周旅行の見聞録である。「航海日記」「北米紀行」「南米紀行―ブラジル」「欧州紀行」「旅の思ひ出」の5部から成る。横浜港から客船で出帆したこの旅は三島の初の海外旅行で、作家としての自分を高めるべき「自己改造」の契機となった渡航でもあり、三島の一つの転換点として位置づけられている。
なお、当時日本はGHQの占領下で、一般人の海外旅行は禁止だったため、三島は朝日新聞の特別通信員として渡航した。旅で体感した太陽、謝肉祭、美術、文化、遺跡は、26歳から27歳の三島に深い印象を残し、特にギリシャ体験は心のうちに潜在していたものを顕在化させ、小説『潮騒』誕生の動因や、その後の「肉体改造」(ボディビル)への伏線を形作った。またこの旅行記は、公的な歴史書からは知ることのできない、変転する歴史の一つの証言という意味合いも帯びている。

三島由紀夫が世界旅行に出た1951年(昭和26年)は、9月に講和条約が調印されていたが、当時はまだ未発効で日本はGHQの占領下であったため、一般人の海外旅行は禁止されていた。出発の数日前には川端康成夫妻が三島宅にわざわざ足を運び、「壮途」を励ましにやって来た。
三島は、『仮面の告白』(1949年)を書いたことと、この最初の世界旅行とで「私の遍歴時代」はほぼ終わったと位置づけており、「私に余分なものといへば、明らかに感受性であり、こいつは今度の旅行で、靴のやうに穿きへらし、すりへらして、使ひ果してしまはなければならぬ。濫費するだけ濫費して、もはやその持主を苦しめないやうにしなければならぬ。(「私の遍歴時代」)と語っている。


朝日新聞社・昭和27年10月初版発行の三島由紀夫「アポロの杯」です。経年のヤケと、見返しにシミが少しがありますが、書き込み、蔵書印などはありません。
72年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。

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カテゴリー:本・雑誌・漫画>>>本>>>文学・小説
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